ナオキがオダカのマンションを訪れた日より、二日前。
「どうしよう・・・、もう二日しかない。まだリコには何も伝えてないし。この子は何が言いたいんだろう。」
(もう、クリアはできないだろう。次に会うときはもう俺は・・・。とにかくリコや他の人に少しでもこのゲームの情報を教えないと。もう、朝かな。あと俺は・・・。)
オダカはこのゲームの恐怖を抑える為、いやオダカを殺す何かに逃れる為、窓ガラスには光がほんの少ししか入らない状態にしたダンボールを貼った。
しかし、そんなものは何の役にも立たなかった。このゲームからはもう絶対に逃れることはできないのだ。『アトフツカ』、そのゲームの表示を恐怖と感じながらオダカはゲームを進ました。
「ねえどっか行こうよ。」「すまない、また今度な。」「えー。パパの嘘つき。」・・・・・・
「なー、高木い。お前ホントに・・・。」「・・・はいって、言えねえのか!?ああ!?」
そいつは逃げまわっていた。誰だ、追いかけられているのは。誰だ、追いかけてるのは。あれは・・・、俺?逃げ回ってるのは・・・。
なんだこいつ、顔が・・・、いったい誰が。あ、もう一人の俺が、そいつに・・・人間の糞を。え、なんだこいつ・・・、口が微かにつりあがってる・・・?
なんて言ってる。音が・・・聞こえない・・・? え、なんだ俺に近づくな。え、目から。目、目目目目目目・・・。
「うわー!!」
頭を抱えてオダカは起きた。息が荒立ってる。オダカはベッドから降り、ゲームのスイッチをいれた。
『サイゴノヒ』ゲームの表示は確かにそうなっていた。
オダカは床にゲームを置き、寝転がった。
そして、二時間程度寝て起き、そのゲームを始めた。不気味なBGMだ。オダカはそのゲームの中のマチをうろうろしていた。
ついに夜が来た。オダカは今までの事をメモ用紙に書き色々な部屋に画鋲で貼り付けた。
オダカは八時には床についた。
(今日が最期だ。寝ているうちに・・・。)
オダカは色々なことを考え、結局寝たのが十時三十分程度だった。
またか。またあの夢か。あいつ、まだ多量の汚物がついてるのか。え?あの汚物だらけの奴は・・・、俺?
グチャ 何の音だ。え、ああ、え?今の、俺?そういえば、何か臭い。鏡だ。鏡は。やはり、俺についてる。
俺は・・・、ベッドの上?ここは俺の部屋?風呂の水はまだ残ってるだろう。
洗いに行こう。
風呂にずっと顔をつけていたら、なくなるだろう。すまないことをした。高木。
「パパの嘘つき。」「パパの・・・」
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- 2009/07/12(日) 19:48:34|
- ナナシノゲーム:オリジナル小説「ナナシな人間」|
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