前回までのあらすじ
オダカの死を見たナオキは、大山を訪れた。しかし、リコとは連絡がついていなかった。
「こういうと失礼極まりないが、君の事例はまさに千歳一隅の好機。一緒にそのゲームの謎を解明し・・・。」
ププププ TSがなった。
「あ、ああメールか。ぼくのTSにメールが来たようだ。あ、ちょうど良いね、尚樹くん、君のTSを見せてくれ。少し調べたいのだよ。実は、TSの調査を警視庁に頼まれてね・・・。サンプリング対象は多いほうがいいので。 ありがとう。すぐ戻るよ。」
大山はTSを棚に置きに行った。
「ああ、ごめん。警視庁に報告する前に君に伝えておこう。なに、ぼくにとっては事件解明より、このゲームの謎を解明したいんだ。いま、ぼくの手元にあるTSは三台・・・。尚樹くんのもの、尾高君のもの、そしてもう一台はある被害者のものだ。この三台には共通の通信履歴がのこされていた。このアドレスのうち、どれか分かるかい?」
三台の通信履歴には「jiq-sog.ts.ip」が残されていた。
「これですね。」
「その通り。あのゲーム全てがこのアドレスを経由してるのだよ。そしてそのアドレスが示す場所は・・・、慈急総合病院。
いまから四年前に口にするのもおぞましい違法行為が発見され、閉鎖された病院なのだよ。そんなところから配信されているなんて・・・。されるはずがないのに。これはやはり、配信元をたどる必要がある。
都市伝説が事実なら、君の残された時間はあと五日。ぼくは信じているのだよ。このゲームの呪いの存在を。
君はまず、その病院に行ってくれたまえ。これからは何か判り次第、君のTSNにメールを送るよ。きちんと読んでくれたまえ。いいね、竹下くん。」
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- 2009/07/23(木) 18:45:33|
- ナナシノゲーム:オリジナル小説「ナナシな人間」|
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