ナオキは浴室のドアを開けた。浴槽に浮いてるもの見ておどろいた。
(え・・・何これ?か・・・髪の毛?それに、この悪臭は?)
ナオキは吐き気がして、廊下にでた。
リビングのドアを開けたら、ゲームの音らしきものが聞こえた。
(何の音だろう?)
ナオキは、音の方向へ向かった。まずは、オダカの寝室を見た。そこには、盛り上がった布団があった。
しかし、その中にはぐちゃぐちゃになったタオルケットしかなかった。
ちがう部屋に入ってロフトへのはしごを見つけた。
(まさかとは・・・。)
ナオキは不安げに、そのはしごを上りながら「オダカセンパーイ。」と呼んでみたが、やはり返事がなかった。
ロフトには、何か膨らんだものがあった。ナオキはまた何か物だろうと思ったが、一応めくってみた。
ナオキは声が出なかった。そこには、水死したオダカがいたのだ。
そして気が動転していて気がつかなったが、そこにはTSが落ちていた。
地下鉄南都線 下り(アトムイカ)
「ゴメンね、ナオキ。」
ポーン ポーン
「えっ!?私のTS?」
リコはかばんからTSを取り出した。
〈ツヅキカラ〉このゲームの画面には、七体の石像があった。
(どうしたらいいんだろ?)
リコは全ての石像を調べた。六体目の石像を調べたら、赤文字で喋りだした。
『リコ・・・やっとお前と邪魔されない。オレは知っていた。リコがナオキの事を好きなのを・・・』
「ちょ・・・なによこのゲーム。そうよ、私はオダカよりナオキの方が好きなの。悪い?」
そういい終えた途端、リコは車内に誰も乗っていないのに気付いた。
(え?何で?さっきまでメチャ込みだったのに・・・)
リコ・・・
(えっ何なの?オダカ?)
リコは立ち上がり、オダカの声がするほうへ向かった。
リコは車両と車両の間の連結部分を通り、どういう状況かを聞くため運転席に向かうことにした。
しかし、運転席の扉は開かなかった。
リコ・・・
またリコを呼ぶ声がした。リコは車両と車両の間の連結部分を何度も通った。
(おかしい。この電車、こんなに車両は多くないはず。)
ポーン ポーン
(また?)
〈ツヅキカラ〉
画面には十字路が映っていた。
(なんだろ。どこへ進めばいいの?・・・あ!)
リコは十字路の一つだけに花が咲いているのに気がついた。
(ここを通れば・・・。)
その読みは当っていた。しかし、四つ目の十字路で画面は白くなり、リコはTSを閉じた。
(それにしても・・・この車両、どうしてこんなに。)
リコは歩き続けているうちに気付いた。
(ここ、ずっと四号車?)
さらに、気がついたことがあった。
(まって。さっきも花のあるほうへ進んだら、通れたんだから・・・。この扉をあけたら。)
それは、外に出る為の扉だった。勢いで開けた扉からは、多量の光が放たれた。
(ん・・・ん?あれ、出れた?四号車から?)
その瞬間、またあの声が聞こえた。
リコ・・・リコ・・・リコ・・・
あたりを見渡したが、やはり何もなかった。
運転席へ向かおうと、扉を開けようとしたらそれはそこにいた。
(え?オダカ?)
しかし、扉を開けたらそれは消えていた。リコは運転席へ向かった。
(え?ここにも花が?)
床には花の絵が書かれていた。
ズルー・・・
何かを引きずるような音が聞こえた。
(えっ!?何!!?)
「キャー――!!!!」
後ろにはそれが立っていた。
ポーン ポーン
『コレデサミシクハナイデショ』
ゲームの画面には、八つの石像とあの子がいた。
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- 2009/07/14(火) 17:32:12|
- ナナシノゲーム:オリジナル小説「ナナシな人間」|
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